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この作品をすべての愛しい女たちに捧げる!
~人は皆娼婦である。それは私とて例外ではない~
親愛なる読者よ、この世で最も美しい話をお聞かせしよう……。
ただし心して聞くがいい。
美しいものを求めれば必ず自らの手を汚さねばならない。
これはこの世でもっとも邪悪で欲望に満ち溢れた物語だ……。
しかし、その先に真の美しい結末がある……。
D・ニプル
遠い昔……。
夏の日の午後、とある町で連続放火事件が発生した。
その時、たまたま買い物に出ていた母親が家に戻ると、家は炎に包まれていた。
母親は家の中に残してきた赤ん坊がいると泣き叫び中に入ろうとしたが、近所の住民たちに「もう、手遅れだ」と止められてしまう。
やがて赤ん坊の泣き声が響き渡り、煙は充満し、炎は天高く舞い上がった。
ようやく消化された時には赤ん坊の泣き声はすでに消えていた……。
やがて動かなくなった我が子の遺体を抱きかかえ、母親はその場に泣き崩れた。
母親の職業は娼婦だった。
やがて母親はある町の片隅で死んだ……。
娼婦仲間や近所の住民たちは、母親と亡くなった赤ん坊を悔やみ町の片隅に小さな地蔵を建てた。
そしてその地蔵は町の守り神と称えられ、娼婦たちはそれぞれの国の習慣に従って地蔵に供え物をするようになった。
【続く】
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