第一章 ピンクの町

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彼女と出会う為に、俺はこの町にやってきたのかな……? 気がつくと、俺も彼女と一緒に手を合わせていた。 「…良かった」 そう言うと彼女はフラフラと売春街の方に歩いていった……。 この時俺は、この女を初めての相手にしたいと心の底から思った……。 俺は密かに彼女の後を追った。 ここで彼女を見失ったら一生後悔する気がした……。 彼女は売春街の真ん中を堂々と歩いて行くと、カーテンが閉まっている一軒の店の前で立ち止まった。 そしてポケットから鍵を取り出し、ドアの中へ消えていった……。 俺はしばらくの間、少し離れた電信柱の陰で、タバコを吸いながら彼女の様子を伺っていた。 周りの店の娼婦たちが俺に話し掛けてきたが、愛想笑を浮かべながらも視線は彼女が入った店から外さなかった。 しばらくするとカーテンが開き、上着を脱いでキャミソール姿の彼女がひょっこりと顔を出した。 彼女は店先に手書きで書かれた「日本人の店」という張り紙を貼り、路地を通る男達に声をかけ始めた……。 その時、俺の中で衝撃が走った。 彼女はこの町の娼婦だったのだ……。 一時的にショックを受けた俺だったが、すぐに別の考えが頭を過ぎった。 ここは売春街で彼女とはここで出会った……。 この展開で彼女が娼婦でも何の問題も無い。 むしろ自分が好きになった女が、金を払えばヤラしてくれるなんて、こんなおいしい展開はそうないもんだ。 俺は自分の心の整理をして、ゆっくりと彼女の方に近づいていった……。 【続く】
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