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現れたのは12歳くらいの白い布っ切れを体に巻いた金髪で品のよさそうな女の子だった。
天使?
俺を向かえに来たのか?
じゃあ俺は天国いくのか。
良かった……地獄じゃなくて。
「あっ、あんた今日死んだ人だよね」
突然女の子はさらりと言った。
何故か心が痛む……
「たぶんね…てかここどこなんだ?」
キョロキョロ辺りを見回す。
「あんた字読めないの?あの世って書いてあんじゃん」
初対面なのにかなり生意気な口調だ。
だいたい普通の人間なら《あの世》なんて書いてるの見たらギャグだと思うだろう。
「じゃついてきてよ、死んだからって悲しんでる暇ないよ~」
女の子は俺に向かって指を振って門へスタスタ歩いていった。
すると門が開いた。
門から光があふれる。
ここが暗くて向こうの光が明るく見えるだけかな?
光で向こうの景色が見えない。
「なにボーッとしてんだ、早く来いよ」
「あ、あぁ…」
俺がそう答えると女の子は早足で門の向こうに行った。
なんかここ通ったら二度と帰れないような気がするけど、どうせ通らなくてもおんなじか……
俺はその子の後について行った。
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