1559人が本棚に入れています
本棚に追加
受付には綺麗なお姉さんがいた
「すいません…今日死んだんですけど」
なんかおかしなこと言ってるよな?俺……
「えぇ、報告来てますよ、白塚 夕斗 午後5時13分に車に引かれて即死 苦しまなくてよかったわね」
いや、苦しんでもよかったからもうちょっと生きてたかった
「ところであなた、なんで車に引かれたの?」
お姉さんは資料に目を向けながら言った
「女の子が引かれそうになったから…助けようとして…」
なんかすごいベタな死に方だな
どうせ死ぬならもっとロマンチックに死にたかった
「そうなの…フフフ…アッハハハ!」
お姉さんは突然笑いだした
「な、なんだよ!」
俺はちょっと怒った声で言った
「いや、そんなかっこいい死に方する人滅多にいないからね…嬉しくなったの」
「嬉しい?」
俺は首をかしげた
「まだそんな優しい人が現世にいるって知ってね…」
お姉さんは遠い目をした。
深くにも綺麗だと思ってしまったのは秘密な。
最初のコメントを投稿しよう!