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葬儀が終わった
みんな帰って行く
しかし俺の家族達は帰らなかった
どうやら夜明けまでいるらしい
兄妹達は二人とも寝ている
二人がこんなに愛しく感じたのは初めてだ
親父と母さんは思い出話に浸っていた
後ろからシホが近づいて来たが、俺は気づかずみんなを眺めていた
「ユート……泣いていたのか?目が真っ赤じゃ」
突然シホが声をかける
「当たり前だろ……こんな……胸が苦しい……」
俺は力なく答えた
「……落ち込んでいるところすまんが、悪いニュースがあるのじゃ」
「悪いニュース?」
まさかもう誰が死神に殺されたとか?
「次に狙われるのは……そこにいるユートの妹かもしれないのじゃ」
シホがそう言うと、俺は両手でシホの肩を掴んだ
「どういうことだよ!」
俺はかなりでかい声を出した
シホは驚いた様子で俺を見ている
「痛いのじゃ!離せ!」
そういって手を振りほどいた
シホはすこし怒ったような表情をしている
「……ごめん」
俺は小さな声で呟いた
「いいのじゃ……ユートが慌てるのも無理はないのじゃ」
シホはニッコリ笑ってくれた
「アビヒコは獲物の背中に霊灯で生成したピンを付ける。妹の背中を見てみろ」
言われて通り見てみると赤く光るピンがついていた
「そんな……」
死神に小夜子の命が狙われてる
嫌だ……
小夜子を俺みたいな目には合わせない
絶対……護ってみせる
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