AM9:00

3/5
前へ
/148ページ
次へ
「おはよ~。」 我が家は日曜日の朝にみんなで朝食を取る習慣がある。家長の親父が決めたしきたりだ。クラスメートは煩わしいことしてるななんて言うけど、これ以外の家庭を知らないし、少しでもコミュニケーションをはかろうと頑張っている親父を俺は尊敬している。麻衣と家庭を持ったら俺は継承してやろうと密かに考えている。 席に着くと『オトクダネ』がスタートした。 『おざぁいまぁ~すっ。私、面尾はカツラ!はいっ!』 面尾キャスターがカツラを上にあげた。 「ブヒャッ、やばいっ、ゴメンね………。」 妹がコーヒーを噴いた。前方の母親にかかっている。 間違いなかった。これは夢ではなく現実だ。俺はこの日をもう一度過ごすことになった。俺のため、麻衣のために。 『面尾キャスターもカミングアウトしたんで、私もついでに………はいっ。』 デーブもかよ!!
/148ページ

最初のコメントを投稿しよう!

443人が本棚に入れています
本棚に追加