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ここは………どこだ?俺は……そうだ、麻衣は?麻衣を捜さなきゃ。………暗くて何も見えない。物音一つ聞こえない。いったいどうなってしまったんだ?
俺は自分が何者なのか、分からなかった。ただ、『麻衣』って奴を捜さなきゃって気持ちにだけ支配されていた。
「こっちに来い……前橋康司。」
話し声が聞こえた。耳と言うよりむしろ脳に直接語りかけるような感じだった。暗くて何も見えないこの状況で、こっちがどっちだか分からなかった。その事を口に出そうとしたけれど無理だった。よく考えたら歩くこともままならない。俺はちっとも行動できないモノに成り下がっていた。
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