降り注ぐ雨でのこと

3/3
前へ
/54ページ
次へ
 その冷たさがどこかへ消えてしまいそうに感じて、希望は夢中で抱きしめた。やがて、彼女の手が震えるくらい強く握られる。      そして、     「………………う、っあぁ……」      みっともない鳴咽が希望から漏れ聞こえた。豪雨が降り続く中、彼女苦笑する。そして、    ありがとう。    確かにそう口にしたのだった。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加