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・・・。
『やっべぇ。大事なノート教室に忘れて来ちゃったなぁ。あれがないと困るんだよねぇ。』
僕はあの日、教室に忘れ物を取りに行ったんだ。
『あったあった。よかったぁ。・・・あれ?なんだ。』
その時だ。どこからか声が聞こえる。…歌?
『屋上からだ!』
僕はそのまま屋上に向かって行ったんだ。
屋上には階段を上って簡単にいける。
僕は階段を上って屋上へのドアを開けた。
ドアを開けた瞬間、夕ぐれの匂いと共にそれは僕の胸を突き刺した。
まるで天使のようだった…。
その歌声は透明で透き通っていて、風にのってその空間を包み込んでいた。
『あぁ…。』
言葉にならなかった。
言葉にならないほどの衝撃だった。
僕はしばらくその場に立ったままだった。
『ん?誰かいるの?』
すると、オレンジの光の中の黒いシルエットはこちらを向いて言った。
『お客さん?盗み聞きは良くないよ。』
制服を着た天使は少しバカにしたように僕に微笑んだ。
あぁ、
そのときかぁ…
僕が彼女に恋をしたのは…。
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