僕とハル

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『キミ…名前は?』 『あぁ、俺は大空 武(おおぞら たける)ってんだ。F組だよ。そっちは?』 『あたしは宇田井 春美(うたい はるみ)。C組。ハルってよんで。』 『うん。わかった!よろしくハル。』 不思議だぁ…。 初めて話したのに、なぜか懐かしい感じがしたんだ。 なんかこう雨上がりの夕暮れみたいな…。 『いつもここで歌ってるの?天使が歌ってるのかと思ったよ。』 『ぷっ、ぁははははは!』 そのときは笑われた…。 『ううん、いつもじゃないよ。今日が初めて。なんだか空に近いところに来たくなってさ…。てか天使って。』 『そっかそっか。歌が好きなんだねぇ。俺とおんなじ。俺はいつもストリートでやってるんだ。すごいでしょ。』 『ホント?もしかしてギター弾ける?』 『もちに決まってんだろ。ギターなんて生まれたときから弾いてるってもんょ。ハハハ…。』 『えっ?生まれたときから??ちょとまじすごいんですけど!』 彼女からツッコミが返って来ることはなかった。 僕はそのとき思った。 こいつってまさか…。 天然!?
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