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『じゃあさ、今度武のストリートライブに連れてってよ。ねっ?』
『うーん、いいよ。今週の土曜に行くつもりなんだ。そんとき一緒に来いよ。』
『やったぁ。ありがとう武。』
『いきなり名前か?なんか照れるなぁ。』
『いいじゃん。武って有名人だもんね。学年で知らない人いないらしいよ。10年に1人のムードメイカーだって。』
『いやぁ恥ずかしいなぁ。なんかバカ丸出しだね。』
『うんうん。いいじゃない。それじゃあそろそろ帰ろうよ。暗くなってきちゃったしさ。』
『そうだね。んじゃ帰りましょう。』
その日僕らは一緒に帰った。そしていろいろ話をしたんだ。
歌のこととか、
クラスのこととか、
あと夢のこととか。
彼女はいつか自分の歌が誰かの心を変えられればいいなぁ、と言った。
自分と重なるものが多すぎて。
まるで自分のことのように思えてしまった。
運命の赤い糸が僕らを引き寄せた…。
と、思えずにはいられなかった。
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