僕とハル

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土曜。天気は晴れ。最高のライブ日和。 『よし!今日はこの道に決定。いやぁ今日は一段と気分が乗ってるぜ。』 『武~!!』 『ハル~!こっちこっち!』 『やっほ。ここでやるんだ。楽しみだね。人来てくれるの?』 『心配ご無用さ!こっちが楽しい気持ちで歌っていれば、自然に人なんかあつまるって。』 『そっか。ねぇねぇ、早速はじめちゃってよ。』 『おっしゃ、じゃあ聞いてください。俺の全てを今ここに…。』 僕は歌う。 僕の全てを叫ぶ。 誰のため? 自分のため? あなたのため? 彼らのため? その答えが出たとき僕の歌は形になる。 あの頃の僕は、そう信じていたんだ。 ・・・。 『さっきの曲イイ曲だね。なんて名前なの?』 『うんと、この曲はね…。』 『…へぇ、そうなんだぁ。じゃあさ…』 でも今は自分の前にいるキミのために歌うよ。 キミに伝えなきゃいけないことも全部歌詞にのせて。 精一杯、力強く、時に切なく…。 そのとき僕は過去に味わったことのない気分だった。 とても気持ちが良かった。 キミに僕の想いは伝わったのかな?
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