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玄関には「幽霊屋鬼助」と書かれた古い表札があった。
「ゆうれいやおにすけ、だって。かわった名前だな」
「きっと誰かのイタズラさ」
「いくら何でも変だよな」
そんなことを言いながらも、身についた習慣からドアをノックし、
「お邪魔します」
と挨拶をして、屋敷に入った。
室内はカビ臭い臭いが立ち込め、その上薄暗くガランとしていた。
「何にもないね」
義男が呟きました。
2人は2階に上がって部屋を覗いてみたが、壊れたテーブルとイス、花瓶が転がっているだけだった。
「なんだつまんないな~」
「もう少し何か置いてあると思ってたぜ」
「出よう。ホコリで息が詰まりそうだ」
階段を下りて玄関のドアを開けると、
「お邪魔しました」
と言って表に出た。
「幽霊屋敷なんだから、それらしいものがあるんじゃないかと期待してたんだけどな」
がっかりしながら啓一の家に戻ると、さっそく録音したテープを再生した。
すると・・・・
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