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そのうち、車がガタガタいい始めたかと思うと、間もなく、ユッサユッサと大きく揺れだした。
四人は泣き喚き、悲鳴をあげた。
10分程してようやく揺れがおさまると、暗闇の中を手探り状態で車から抜け出すことが出来た。
命からがら、どうにか脱出したのだが、トンネルの外に出たところで啓太の姿が見えないことに気がついた。
振り返ると、さっきまで暗闇だったトンネルに明かりが灯っている。
三人は走って車に戻った。
仁の車は元の場所にそのままで、後ろの座席に青い顔をした啓太が怯えきった表情で座っていた。
しかし、声をかけても、啓太は首を横にふるだけでブルブル震えたままだ。
少しして、啓太はおずおず自分の足元に目をやった。
仁達が中を覗き込むと、二本の白い腕が啓太の足首をがっしりつかんでいた。
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