第五話

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そんな事があっても、学校に行くのが辛い訳じゃない。 幼なじみの三人を探す事に楽しみを感じていたのもあったし、何より門村と上川の存在が俺にとって大きかったからだ。 だから辛さよりも楽しさがあったような気もするんだ…。 そんな……ある日部活動を決める日が来た。 元々運動が苦手な俺はボランティア部と言う部活に適当な気持ちで入部した。 だが、そのおかげなのかもしれない……俺が三人に出会えたのは。 ボランティア部と言うのは、障害者学級で行われる学校の中で色々なお手伝いをする部活で、あまり興味を示せる内容とは言えなかった。 が、初めての部活の時に、教室の前で待っていると、その時偶然その場所に川島が通りかかった。 「……黒川」 俺を見るなり川島は近付いてきた。 「川島……。」 俺は幼なじみの川島に近付いていった。 その時だった。 俺の横腹に川島の拳が食い込んだ。 「な……。」 それと同時に川島はどんどん拳を放ってくる。 俺はその時悟った。 裏切られた。 幼なじみに裏切られたんだ。 でも川島は理由も言わない。 裏切られた理由も分からないまま…俺はひたすら殴られ続けていた。
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