1335人が本棚に入れています
本棚に追加
蛇口から流れる透明な水がてに付着している。『朱』い液体を洗い流す。倒れている奴が血を流すのは大好きだが返り血は大嫌いだ。
なぜならそこに恐怖や絶望はないから。
濡れた手を制服に擦り付け水を拭き取る。
俺はハンカチは使わない。以前遊んで(喧嘩で)付いた血をハンカチで血を拭いたら、洗濯している妹君に長々とグチグチ言われたからだ。
思い出すだけでもかったるい。
少しイライラが募ってきた。
何処かにストレス発散のオモチャは…。
駅のトイレから出る。
と、そこには…。
『で、出てきたな末永!!』
『てめぇ、今日と言う今日は…』
ミジンコが何か日本語しゃべってやがる…数は…。
指を指しながら1人1人数えていく。
『ほ、ほら、何とか言ってみろよ末永…』
うるせぇ数えらんねぇじゃねぇか…
『こ、この数でも…』
『うっせぇっつってんだ!ミジンコ!!今数えてんだからだまってろ!!』
光が吠える!!恐怖したのか光を囲んだ不良達が一斉にピシャリと口を閉める。
再び光が指折り数えていく。
『29…30…31…32…33…34……34人か?クックック♪たった34人でこの俺をどうしようって?クックック♪』
その姿は堂々としていて34人の不良を目の前にしても恐れなど微塵にも感じさせない。
『だ、だまれや!!お、おい!!やっちま…。』
光が手を前に出し相手の言葉を遮る。
『まぁ、待てよ。疑問に思わねぇか?何で俺がびびらねぇかよ?』
最初のコメントを投稿しよう!