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『お・や・か・た・さ・まぁぁぁァァァァアアア‼』
と、風より早く疾走するは、真田幸村。
『な、なんたる不覚‼』
そう自白しながら、幸村は昨夜の出来事を思い返していた。
『ハッ❗ハッ‼』
槍を己が手足のごとく振るい、幸村は鍛錬を今日も積む。全てはお館様の御為…。
と、額に玉の汗を流し、槍を振るう。
背後に気配を感じて、幸村は素早く振り返り、槍を構える。
しかし、気配の正体を見て、幸村は槍を下ろす。
その者は闇から浮き出るように現れた。
『あいっかわらず精が出るねぇ、旦那。戦国時代じゃないんだから、そんな鍛錬しなくったって💨』
『戦があるから鍛錬するのではござらん。大事なのは守れる力があるかないかだ、佐助』
そう、その者の名は、猿飛佐助。
一応この二人、主従関係なのだが、友人関係のようなのだ💧
『またぁ、お館様の受け売りを得意気にぃ』
と、ニヤリと笑い主人を小馬鹿にする忍。
するとその主人は
『うっ、うるさいぞ佐助ぇ💥なっなんの用だ』
と、逃げるように話を変える。
『あー、お館様がお呼びだよ、旦那』
『なっ…なぜ早くそれを言わないぃぃぃィィィ―』
文句も途中ながらも、既に幸村の姿は此処にはない。『ご苦労さん、俺』
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