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気がつくと窓からは光がさしていた。
起き上がってコンタクトの張り付く目をこすった。
さっきまで同じベッドにいた男は、小さなメモを残して消えていた。
「先に出ます。じゃぁね。代金は払っておくよ。」
服を着ると、昨日の夜、男に渡された四万円が、くしゃくしゃになってはいっていた。
ついさっきまで、自分を抱いて
「ずっと一緒だ。」
何て言っていた男は、皐月の前から一瞬で姿を消したのだ。
誰もいない家に皐月は帰った。
閑静な住宅地で、バイクのエンジン音一つ聞こえない。
外は晴れていて皐月を憂鬱にさせた。
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