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皐月は足を抱え込み座り込んだ。
自分の体を見たくなかった。
汚れて、腐りかけたまだ繊細な体が、自分にあることすら嫌だった。
いつの間にか、体全身が震えていた。
必死に奮い立たせた足がふらついて、倒れてしまった。
痛みで顔をしかめながら顔を上げると、目の前にキラキラと光る刃を見つけた。
皐月はいつの間にかその剃刀を手にとった。
震える手を必死で両手で押さえ込んだ。
「何も…怖くない…。」
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