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山頂までの道のりは険しく、急な上り坂のうえに湿っていて滑りやすかった。
平山さんがキャッと言ってこけると大丈夫?と周りから声がかる。
私がこけても心配されないのは分かっていたし、無理にこけるのはやめておいた。
平山さんに手を貸したあとは、すみやかに幼なじみのT美と登った。
一番の理解者でありながら一番のライバル。
狭い山道を先を競って登った。拾った木でお互いの邪魔をしながら。
そんな事ばっかしてたから二人とも滑って転んだ。
そんな私たちをよそにブーキは笑ったし、平山さんは素通りしていった。
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