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ねぶたに出る途中
たまたま見た携帯が
着信してた…
画面には『母』の一文字｡
お母さんから電話がくることなんて珍しくなんかなかったから,きっとご飯食べてるかどうか心配してくれたんだと思ってた…｡
どうしたの-?!
今からはねと出るとこ
ってゆったら
じゃあやめた方がいいか
って言われたから気になって
どうしたの
ってきいたら…
㊙㊙くん亡くなったから
って…
まさかって思って
どこの?
ってきいたら
そのまさかだった｡
新聞を見れば分かるって言われたけど…
新聞を買いにいこうとして
あたしにはまだ生きてる気がしたから。
見たら認めなきゃならないじゃない。
だって小学校の頃遊んだんだよ。
あたしが新聞に載ったときは,お母さんが㊙㊙が切り抜いておばちゃんに見せてくれたんだってって言ってたもん。
こないだ何年ぶりかに見たんだよ??
あたしは久し振りに見られるのが恥ずかしくて下を向いてたけど…
笑ったカォが変わらなくて,でも髪も茶色になってて矯正かけてて前見たより背が高くなってた…
ちゃんと笑ってたんだよ。
好きとか愛してるとかそんな簡単に表現できるものじゃないよ。
その程度のレベルの話じゃない。
そんなもんじゃない。
あたしはあなたの成人した姿も結婚した姿も見たかった。
『幸せになってね』
って言いたかったよ。
あのとき
最後に会ったあの笑顔が目に焼き付いて頭の中を離れない。
恥ずかしがらずにもっとちゃんと前を向けてれば違う何かも見れたのかな。
後悔せずにいられたかな。
まだ早過ぎるよ。
19か20でしょ。
おいてかないでよ。
もう誰もうちより早く死なないで。
あなたがいないから流れる涙はどこにも行く当てが無く,ただひたすら地面にこぼれ落ちる。
止まったかと思えば
また流れ落ちて。
きっとね。ふとしたときにあなたを思い出す。あたしはそれをずっと背負ってくのよ。
新聞の片隅に載って,みんなに忘れ去られるなんてことさせない。
つらいよ。
あなたがこの世にいないと考えるだけで,死ぬほどつらい。
現実はまだ見たくない。
見たら頭がおかしくなるから。
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