夏の花

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 僕はあの人をもう忘れてしまった。  あの人を呼ぶ名前を、僕は遠い昔においてきた。    二度と会えない。二度と会わない。  ただただ、ゆなを残してくれたことだけを心から感謝する。  僕はもう、ゆな以外に人を好きにならないよ。  大好きだったあの人を、僕はこれからも ずっと思い出さない。    ゆな、 ゆな、 ゆな……  全身全霊をかけて星に願う。君を想う。  どうか僕らを離さないで。      ねぇ……  狂おしいほどに君が好き        僕とゆなには2人だけのルールがある。  ゆなは寝る時はいつも僕の腕の中で眠ること。  アイツにはできるだけ近寄らないこと。  寝室のタンスのそばには、行かないこと。    僕はゆなに毎日ひとつ、贈り物をすること。    最後のは僕が勝手にしてることだけど、一番大切な約束。  なにも買えない日は河原でキレイな小石を拾って帰る。  どんなささいな贈り物もゆなは喜んでくれるんだ。僕はそれがうれしくて、毎日贈り物をする。  ゆなの笑顔は僕にとって、最高級のご褒美。  
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