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晴明はいつも忙しい。お祓いをしろだの妖怪退治をしろだの、専属の陰陽師がいるにも関わらずこちらに頼んでくる。これでは他の陰陽師の顔が潰れてしまうではないか。と晴明は思っていた。
近頃の都は怨霊の数が多かった。そのため民はとりつかれて苦しむ者も増えた。一人では無理だった。晴明は自分の無力さを感じた。
そして今日も夜はお祓いの仕事が入っていた。牛車が迎えにきたので行くことにした。今日は左大臣の子供に取り付ちた怨霊を祓う仕事だ。晴明は大きなため息とともに牛車に乗り込んだ。
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