イレギュラー

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練習が、終盤に近ずくにつれて、周りの練習生も気が付き始めた。 二人の動きが妙に切れが良い。 ウチの道場では、練習が終わりに近ずくと、だんだん実践的になって来る。 最後の組手になる頃には、みんな興味深そうに体験入門者を見ていた。 その時、指導員の深津先生が、こっそり近ずいて来て。 「コウジ、お前は手だけな」 と俺に言った 良く見ると、タクさんがこっちを向いて笑っている。 (クマのしわざか‥) 一人は、良いけど‥残り二人は明らかに経験者だ‥。 しかし、今日1日体験入門生を指導した面子もある‥。 俺は、少し引きつりながらも。 「わかりました」 と俺は答えた。
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