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「ちょっと誰も居ないの!?」
薄暗い不気味な店の前で、30歳前後だろうかと思われる女性が叫んでいる。
「はい、何でございましょう。」
打って変わってゆっくりとした口調の男が、店の奥から姿を表した。
妖しげなオーラを醸し出し、独特の雰囲気を作り上げている。
「表の看板に、何でもレンタルしてくれるって書いてあるけど、本当なの!?」
男の口調にイライラしたかのように、不機嫌そうに尋ねる。
「はい、もちろんでございます。」
口元に微かな笑みを浮かべながら、男は続けた。
「私はこの店のオーナーの鏡と申します。お客様が必要とするモノでしたら、何でもお貸し致しております。」
その言葉を聞いて、即答する。
「だったら今すぐ借りたいものがあるの…。」
「…では、こちらへどうぞ。」
女の鋭い視線をさらりと受け流し、店の奥へと入って行く。
その後を追うように、女も店の奥へと姿を消した。
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