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ライアンはアーチストリートの薄暗がりで人生のほとんどを送っていた。
隣町にできた真新しいイタリアン・レストランよりも遠くに出かけたことがない。
贅沢な食事にありついたことも・・・。
彼はまだ十六歳なのにがっちりとした体格と物怖じしない度胸のよさで二十歳で通った。
時にはガールフレンドの場合もあるテレサ。
テレサのために新しいタバコを一箱を酒屋から調達してきたところだった。
「帰ってきたのね」
ライアンはタバコを一本勧めた。
彼女の顔から長い茶髪をはらいのけあいてのタバコから火をかりた。
テレサと対案は昔からの友達だったがそれは、長い付き合いの一部分にもすぎない。
いまでは二人とも成長しだべりながら裏のベランダでタバコをゆらす仲になっている。
今日は散々な一日だった。
今まではいい日なんてなんにものにはお目にかかったことがないが
それでも今日は重苦しい日だった。
完璧とはいえない家庭生活のなか。酔っ払ってつぶれている兄のトレイを起こし
自分は母親の愛人のA・Jから平手打ちをくらって目覚めたと言った具合で朝が始まった。
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