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「…なに」
『クス…兄さん久しぶり。帰ってたんなら連絡くれれば良かったのに』
誰がやるもんか。
「用がないなら切る」
『待ってよ。せっかちだなぁ…ふふ。兄さん今どこにいるの?家にはいなかったみたいだけど』
果たしてここで自分の居場所を教えてしまう馬鹿はいるのだろうか。
『…なんてね。知ってるんだ。“私立リコリス学園”…だよね』
「っ…」
ブチッと僕はそこで終話ボタンを押してしまった。あぁっ…んとに情報の早いやつ。いったいどこから仕入れて来るんだろうな。
くっそー…。
僕はイライラして携帯の電源を落とすと鞄の奥底へしまった。
気分は最悪。なら仕方ない。
「一眠りしようか…」
寮の部屋の片付けは後でも構わないさ。
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