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「…ら先生っ…!!澤村先生!!」
グラグラ揺らされる感覚に目を覚ます。目の前には僕の知らない人がいた。
「起きて下さーいっ澤村せんせー!!」
…煩い人だな。ゆっくり起き上がると外を見る。かなり眠ってしまったらしく、外は真っ暗だった。
「すみません…起きましたよ」
「良かった…お時間になっても来ないから、みんな心配してたんですよ」
どうやらこの人は教師みたいだ。銀色の髪が肩にかかり、とても美人。だからと言って大人な感じかと言えばそうではない。どちらかと言えばまだまだ成長途中の子供のような感じがする。
「すみませんね。うっかり眠ってしまって」
「いえ…あ、あの、俺…水桐参って言います!参って軽く呼んで下さいっ」
起き上がって鏡の前に立つ。何故かこの部屋には洗面台がついているのだ。適当に髪を直して服を整えると財布と携帯をポケットへ押し込んだ。
「参先生ですか。なら僕は要とお呼び下さい」
適当にそうあしらったにも関わらず、彼は嬉しそうにはい!と答えた。
その元気の良さに驚いて、でもどこかそれが心地よかった。
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