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「さて、お待たせしました。行きましょう、参先生」
「は、はい!」
部屋のドアを開けて彼が出たのを確認するときちんと鍵を締めてから部屋をでた。
もう夕暮れ時というやつで、空は赤く染まっている。生徒だっていなくて、たいていが寮に戻ってしまったのだろう。きっと残っているのは部活動か生徒会か。はたまた居残りか。
「楽しみですね!…とは言っても俺、酒はあまり飲めないんですが」
「おや、奇遇ですね。私もです」
「でも俺…ああ言う雰囲気が好きなんです。みんなでわいわいやって…愚痴とか悩みとか酒の勢いで話しちゃったり。そう言うの楽しくないですか?」
クスクス笑ってはいはいと返事をし、僕より背の低い彼の頭を撫でてやった。
「…そういえば、お聞きしたいことがあるんです」
「え?俺にですか?」
別に君じゃなくても構わないだなんて思っても口には出さない。
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