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女の扱いには慣れてるはずの君が、私なんかに緊張してくれている
忙しなく煙草に火をつけ、カーステいじりまくってこの曲良くない?聞いてみてって言いながら、君は話しまくって曲が終わったら…もぅ~曲ちゃんと聞いてた?って…
愛しすぎて、切ない想いが飛んでしまいそうだった
バタバタと何カ所か夜景スポットを巡り、やっと君は少し語ってくれた
まだまだ幼かった君が背負った大きな傷
大きすぎる傷
一番傷ついたのは君なのに、きっと責められた
君しか矛先がなかったから
2人で居た場所で変わり果てた彼を見た君は、一人何を思ったの?
あいつ…バカだよなホント…無理に笑う君が辛いよ
ねぇ俺はいつ許されるの?
綺麗な横顔が真っ直ぐ前を見たまま呟いた
言葉が出ないよ…
抱きしめたかった…
せめて手をギュッと握りしめたかった…
私たちは残って生きてるって温もりを伝えたかった
でも切なすぎて、そして彼が愛しすぎて触れることすら出来なかった
私なんかが相手出来る君じゃないからなんて、結局は怖じ気づいてた情けない私
待ってくれてる感じもしてたけど、勇気が出なかった
私と色違いの君の電話が光って着信を知らせる
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