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「ことはーーことはーー!」
五十音ことはは友達に呼ばれ振り返る。今日は個人的に行くところがあるのだが…
「カラオケ行こーよー 美声聴きたい」
「ごめーん今日バイトなんだ」
カラオケも捨てがたいし、我が美声を聴かせてやりたいのはやまやまだけど。
「物騒なんだし遊んでないで帰ったら?」
ー 私がついてない時に襲われるのは嫌だから。
ホント気をつけてほしい。
「えーでも怪我人出てないって言うじゃん 乱射事件なのに変な話だよねーー」
「……」
ホント変な話。
そして友達と別れたあと……
私の前方で小さな男の子が立ち止まって枯れ木の上の方を見上げている。
右手には凧糸…つまりは……
「引っかかっちゃったよーーーー」
よし、助けてやるか
「あらら……『風』でも吹いたら外れるのにねぇ」
私はあやすように男の子に言うと 風 という言葉を念じた。
次の瞬間ー。
ゴゥ‼‼‼
「わっ❗」
勢いよく風が吹いた
木に引っかかっていた凧も見事に外れた。
少々強すぎたか、また飛んでいってしまったが。
「🎵」
さ…早く向かおうか。
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