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遭遇の朝
ピピピピピ ピピピピピ
「う、う~ん」
ピピピピピ ピピピピピ
「あん 何だぁ?」
ピピピピピ ピピピピピ
少しずつ目が覚めてきた。
俺は寝ぼけた目で音の根源を手探りした。
ピピピピピ ピピピピピ
「見つけた」
机の上にちょこんと乗った張り紙付きの黄色い熊のめざまし時計。
ピピピピピ ピピッ!
俺はすぐめざましを止め時刻を確認する。
「……なっ!?まだ5時半じゃねぇか!」
俺は一回起きると寝れないタイプだ。
俺は貼ってある張り紙をちぎり取った。
内容は
『颯人へ
朝弱い貴方のために
めざまし時計を置いて
おきます。
早起きしろ。
彰より』
「……………」
これは感謝したほうがいいのか?
いいんだろうが俺はキレた。
「彰ねぇぇ!!早起きしろって早すぎだろぉぉぉ。てかいつこんなもん置いたぁぁぁ!」
虚しく木霊したし、なんか悲しい。
クリスマスに彼女がいない男達の叫びみたいな?
なんて考えた自分に苦笑。
そして、もう寝れないことは自分自身が一番わかっている。
「仕方ない散歩でもするか」
俺は渋々歩きだすことにした。
「ていうか、見事に彰ねぇの手のひらで踊らされてる気がする」
自分で言うとさらに悲しくなる。
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