お互いの過去

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「でも、そんな話聞いちゃったらこっちの話が馬鹿らしくなっちゃいます」 乙葉は話をするのをためらっている素振りを見せた。 「それでも良いよ。乙葉の話聞きたいな」 「っ!?//////」 あっ、赤くなった。 俺はこんな乙葉のこんな感じの顔が好きだ。 (好き?この気持ちが?) 俺はだんだん本当の恋と言うものがわかってきた気がする。 そんな事を考えている間に乙葉が話を進めていた。 「じゃ、じゃあ話しますね」 「うん」 今考えていた事が感づかれるのを避けるためにすぐに返事をした。 「私がお父さんに捨てられた事は話しましたよね」 ズキッ 胸が痛かった。 どうして乙葉はこんな事をさらりと言えるんだ。 「う、うん」 とりあえず返事をした。 「その後の話です。私…春宮乙葉について」
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