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朝練がなかった日の登校時は、いつもこの門をギリギリで通過していた俺。
その後ろでは、惜しくも間に合わなかった友達が、鬼教師に捕まって説教されていた。
今でこそ気楽に言えるが、正直俺も数秒遅かったらやばかった。
足が速くて助かったと思える一瞬である。
あの説教は受ける側の心境なんて、理解したくないからな。
隅の方が落書きだらけの廊下。
そして、長い様で短い屋上への階段。
これを一歩一歩踏み締めて行く。
血は煮え切ったように熱く、もう心臓は爆発寸前だ。
後ろから驚かされたものなら、口から心臓でも飛び出るのではないだろうか。
なんて事はあくまで喩えなのだが、心臓が止まるって事ならあるかも知れない。
そして、重い扉のノブを静かに回し、一呼吸置いてゆっくり開いた。
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