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それから三日後……。
「先生!!305号室のおばあちゃんが!!」
「わかった!!すぐ行く!!」
その日はやけに騒々しかった。
隣りにはたくさんの看護婦さんがいっぱいいた。
乙葉は見てしまった。
大好きなおばあちゃんが運ばれるのを……。
「おばあちゃん!!」
乙葉はタンカーに飛び付く。
「君!!どきなさい」
「おばあちゃん!!おばあちゃん!!」
乙葉に周りの声はきこえなかった。
「…はぁ…はぁ…乙…葉…ちゃん」
「おばあちゃん!!」
「お話…してくれて…ありがとうね…私は乙葉ちゃんの…笑顔…が…大好き…よ…何があっても、ゴホッ、頑張って…ね」
おばあちゃんは最期に笑顔で乙葉に言った後、手術室へ運ばれて行った。
三時間後……。
おばあちゃんは息を引き取りました。
「グスッ…おばあちゃん…グスッ」
乙葉はおばあちゃんのベットで泣いていた。
そのとき、一人の看護婦さんが乙葉に近付いて来る。
「あなたが乙葉ちゃん?」
「グスッ……はい」
「……おばあちゃんからこれを預かったわ」
看護婦さんが白い封筒を出して乙葉に渡す。
中には指輪と手紙が入っていた。
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