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「あのさ、乙葉って外に出れるの?」
俺はおもむろにこう言った。
「えっと、先生に聞けば多分大丈夫ですよ」
乙葉は少し考えた後、そう答えた。
「ほんとに!?じゃあさ、今度街に行かない?」
「本当ですか!!行きたいです」
乙葉は目を輝かせて喜んだ。
「私ずっと病院にいるから街はあまり見た事ないんです」
乙葉はもういまからでも飛び出していきそうな雰囲気だ。
「それじゃ尚更いいや。明日行こうよ」
俺は微笑んで乙葉の返事を待った。
いや、待ったと言っても返答は二つ返事ですぐに返ってきたが。
「いきます。是非行かせて下さい!!」
乙葉は凄く興奮して、今からでも飛んで行きそうな感じだ。
「それじゃ明日、十一時に大樹で待ち合わせでいい?」
「はい」
乙葉の楽しみにしている元気な声が凄く嬉しかった。
「それじゃ、また明日」
「はい。さようなら」
俺は乙葉に手を振って別れた。
乙葉はそんな俺を見送った後で自分の病室に戻って行った。
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