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「さてこれからどうしたものか」
俺はこの馬鹿みたいに広い病院を行ったり来たり同じ事を繰り返している。
未だ時刻は七時過ぎ
「はぁ、慣れないなぁこの時間にも」
大袈裟に言うが暇すぎて死にそうだ。
今すぐにでも外に向かって全力疾走したいが、足がこれじゃあ話しにならない。
「あぁもう、なんか暇潰しになるもんないのかよぉ」
俺がそう言うと、後ろから背中をつつかれた。
「どうしたんですか?」
俺の背中をつついたのは縁さんだった。
しかし、いつもは白衣に身を包んだ天使(いや、大人だから女神か)だった縁さんが、今日はいつもの白衣とは違い凄く似合っているひらひら付きの可愛い服を着ていた。
「おはよう縁さん。あれ?今日はナースじゃないんだ」
「はい。今日は休みを貰ったんで買い物に行くんです」
「へぇ~、よかったですね」
「はい。それじゃ行ってきます」
縁さんはそう言って子どものように喜びながら病院をあとにした。
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