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「それじゃ、行こっか」
「はい」
乙葉は俺に微笑む。
俺はその顔に弱く、顔が赤くなった。
俺達は病院を抜け、坂道を下る。
やはり松葉杖だと進みづらい。
「颯人さん、大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫、これぐらい何ともないよ」
俺はそう言って止まり、ガッツポーズを見せる。
すると、何故か乙葉は笑って走り出た。
「じぁあちょっと急ぎましょっか」
乙葉どんどん坂を下っていく。
「ま、待ってくれよ乙葉~。わかった、わかったから。大丈夫じゃないから、待ってくれよ」
俺は白状して息を切らせて止まる。
すると、乙葉は坂を上り俺に近付いた。
手を後ろに回しちょっと前に顔を突出し俺の顔を覗き込み
「よく出来ました。ゆっくりいきましょう」
と、俺の横に回りそう言った。
「はぁ、乙葉には敵わないな」
俺がそう言うと乙葉はクスッと笑った。
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