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迷いに迷ってやっとたどり着いたザ☆ピーチの前……。
「颯人さん…大丈夫ですか?」
乙葉は殴られて出た俺の口もとの血を持っていたハンカチで拭う。
「大丈夫大丈夫。あんなのより親父のげんこつのほうが痛いから」
俺は嘘をついた。
いままで俺は親父に殴られた事は一度も無い。
だけど、乙葉に心配して欲しくなかった。
俺は男だから乙葉を守らなくちゃいけないという使命感で満たされている。
だからこそ乙葉に心配して貰いたくなかった。
「それよりも乙葉は大丈夫だったか?」
「はい。颯人さんに守ってもらいましたから大丈夫です」
すると乙葉は顔を赤らめて
「……ありがとうございました……カッコ良かったですよ。その……//////凄く嬉しかったです//////」
そう言ってザ☆ピーチの方に向いた。
多分顔を見られたくなかったんだろう。
俺はゆっくり近付き、乙葉の手を握った。
「ひゃう!?」
プシュン
あ、蒸気が出たような音がした。
「じゃあ、入ろっか」
「あ、はい//////」
俺は顔を上げない乙葉を連れて進んだ。
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