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「ああ……あ……あ……」
シエルの口から、声にならない嗚咽が漏れる。
もう3発鉄の塊を埋め込まれたライは、完全に動かなくなっていた。
「おい処理はお前がしろよ。ここに置いてかれると臭ぇんだよ」
先に撃った男が言った。
ライにとどめを刺した男はしかたねえなと悪態をつくと、ライの足を掴みずるずると引きずっていく。
床にくっきりとついた血の筋を見て、シエルは吐き気を催した。
「おいおい……。勘弁してくれ。マスクが必要になっちまう」
フロアに残った男はため息をつくと、俯いているシエルから目をそらした。
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