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約束の2時。
三丁目の公園。
…いくら待っても愁は来ない。
からかわれたのかな…。
香織がそう思うのも無理は無い。
2時の約束が、いつの間にかもう5時である。
「帰ろ…」
一言呟いて歩き出すと、誰かに腕を掴まれた。
愁…?
そう思い振り返ると、知らない男が二人、香織の腕を掴んでいる。
………誰!?
事態が飲み込めていない香織に、男達が話しかける。
「ねぇ~何してんの?」
ナンパだった。
「別に何も…」
香織は興味なさ気に腕を振りほどこうとする。
「俺らと遊ぼーょぉ」
見るからにチャラそうな男達。
香織のタイプでは無い。
「や。もう帰るんで」
くるっと踵を返して進もうとしても、掴まれた腕を離して貰えなければ歩けない。
「離して下さいっ!!」
強く引っ張ってみる。
だが、流石に男の力に敵う訳がない。
「チョットくらいならいーじゃぁん」
しつこい…
そう思った矢先に、香織はより強く腕を引っ張られた。
「あっ…!」
突然の事に声がでる。
そのまま物影に連れていかれ、壁に押し付けられた。
「つぅ……」
背中に痛みが走る。
「俺らとイーコトしようぜ?」
腕を掴んでいる男が、香織の耳元で囁く。
気持ち悪い…!!
条件反射で顔を背けて目を強くつむる。
その時、香織は服の中に違和感を感じた。
「嫌ッ…!!!」
服の中に手を入れられ、肌をまさぐられる。
香織の瞳から、大粒の涙が零れた時だった。
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