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最悪な出会い方をしてからというもの、香織は愁にコキ使われていた。
『コーヒーが飲みたい』
『タバコが切れた』
『暇だ。今すぐ来い。』
等々…
内容は実に下らないものである。
そして今日という炎天下の土曜も日香織のケータイが震えている。
いつもな如く素早くケータイを開き、メールをチェックする。
『眠い。俺の家』
相変わらず短文なメールだ。
香織はケータイに向かってツッコミを入れる。
「眠いなら寝ろぉぉ!!!ッテカあたし愁の家知らなねぇし!!」
香織はツッコミの勢いのまま愁に電話をかけた。
プルル…
プルルルル…
数回コールした後、寝ぼけた声の愁が電話にでた。
「「もしもし…」」
「ちょっとぉ~。あたし愁の家知らないんだけど…」
少しふて腐れた様に言ってみる。
「「あぁ…2時に三丁目の公園で待ってろ。迎えにいってやる」」
愁はちゃんと起きているのか解らない口調で時間と場所を告げた。
「解ったよ」
香織が言うと電話は一方的に切れた。
「意味わかんねぇ…;;」
香織は待受に戻ったケータイ画面に向かって独り言を呟いた。
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