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「おお! 本当に村が!」
狼男に連れられ、向かった先には小さな村があった。町とはいえない小さな村だが、生活は充実しているらしい。
ちゃんと水もあるし畑もある。まあ水といっても井戸水、または村から北へ数時間歩いたところにある湖から汲んでくるそうだ。
水道やなんかは存在しないらしかった。
「おい、この村の一番奥の家が……」
「あんたの家なんだろ?」
「馬鹿ではないらしいな」
「それは馬鹿にしているのか? 道中何回もきかされたら覚えるよ!」
「……それもそうか。まあ適当に村をまわりながら来ればいいさ。どのみち飯まで準備やらなんやらで時間がかかるしな」
「じゃあ適当に探索してから行くよ。じゃあまたな」
「……一つ言っておくが祠には入るなよ。あそこは一族の墓場だからな」
「分かったよ」
とりあえず狼男とは別れ、村を歩き回り探索することになった。
……正直な話、今にも空腹で倒れそうなぐらい腹が空いていたが……言ったら笑われそうだったので言うのをやめておいた。
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