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だが中には優しくしてくれる人もいた。
親切にこの村のことを教えてもくれた。
……まあ契約のことをきくと哀れんだ目でみられたけど。
とりあえず、日が暮れる時間になったのであいつの、狼男の家に向かうことにした。
そういえば名前をきいていなかったな。
夕食のときにきくことにしよう。
「……本当にここ?」
言われた場所に行くと、レンガによく似た石で作られている屋敷についた。
家の大きさではまずない。『屋敷』という呼び方が合う大きさだった。
家の回りも、石垣で囲まれており、黒い立派な門がついていた。
「……はいっていいんだよな」
門を押してみる。
軋んだような音をたててゆっくり開いた。
「閉めるんだよな……。こういう場合……あれ?」
門が動かない。びくともしない。
「……壊れた? いや、壊しちゃった?」
さっきまでは動いたはずだが……。
もしかしたらなにか特別な門かもしれない。
「動けよ! この野郎!」
……びくともしない。
とりあえず閉めるのを諦めて、屋敷の扉に向かった。
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