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「なあ、あの門直さないのか?」 「また、どうせすぐに壊れるんだから直す必要ないだろう?」 ……何も知らない奴は焦るぞ。 まぁいいか。ここに住んでる人がそう言うのだから。 「二つ、きいていいかな?」 「家に入ってからでは駄目か?」 「……別に構わないけど。できたら早めがいい」 「当ててやろうか? どうせ、なんで来たことが分かったかとレリーフのことだろう?」 ドンピシャってヤツだな。……かなり古い言葉のような気がする。 「……二つとも正解だよ」 「なんで来たことが分かったのか。簡単だよ。門の音と奇声がきこえたからだ」 奇声? ……もしかして悲鳴のことか? 「二つ目も簡単。簡単な魔法をかけたレリーフだからだ」 ……今何て言った? まほう? 「まほう?」 そんなものが在るわけがない。 あったらそれはタネがわからない手品をやっているだけに決まってる。 「……魔法と言っても単純にものを操る魔法をかけただけだぞ?」 ……何をどう勘違いしてるんだよ。 そんなこと全く知らないっての。 「魔法なんか在るわけがないだろ?」 「……知らないんだな」 また、哀れんだ目で見られた。
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