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「……なんだここ?」
気が付くと草原に寝転がっていた。
さっきまでは、確か……
「さっきまで……何してたんだ?」
何も思い出せない。
なんでだろう?
頭を打ったようなこぶは頭にない。
特に身体には異変は見当たらなかった。
あるとしたら
「自分の頭の中……だな」
何故だか笑いがこみ上げてきた。
自然と頬がゆるむ。
声が口からもれる。
「くっ……あはははははっ……は」
すぐに我にかえった。
「なんで笑ってんだろう。笑い事じゃないのに……」
……なんか虚しくなってきた。
「名前はさすがに覚えてるよな!」
自分に確認する。
確認する……が
「あ?」
なんにも思い出せない。
「もしかして記憶喪失ってやつなのかよ……」
なんでこんなことは覚えてるんだ……。
自分が哀しくなる……。
「とりあえずは……そうだな」
寝床と食料の確保かな?
「探しに行く……わけにもいかないよな。辺り一面原っぱなわけだし」
今いるところは見る限りに緑の絨毯が敷かれているようにみえる草原だった。
「なんか……独り言が多いよな……」
哀しい事実に気付き余計哀しくなった。
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