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急いで隣のイスに置いたサングラスへと手を伸ばす。
が、遅かった。
「章ちゃん…、章ちゃん!!」
隣のテーブルの女の子の1人がガタッとイスを引いて立ち上がり、僕を指差しながらそう叫ぶ。
喫茶店内はしーん、と一瞬にして静まり返り、その中のすべての人がこちらを向いてるような錯覚がした。
「…し、章ちゃん?ごめんな。た、たぶん人違いとちがう…?」
こんな嘘すぐ見破られる。
そんなことわかりきってることなのに、ついた嘘。
でももしここで見つかったら、きっとこの喫茶店は粘着的なおっかけに占領されてまう…
どないしよう…!!!
「や、絶対どー見てもやっさんやろ!」
「うっそ!なんでヤスがここにいるん?なになに、忠義はー?」
そうしてる間に女の子たちは少しうわずった高い声で代わる代わる叫びながら迫ってきた。
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