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「少々お待ちください」
店員さんがにこりと微笑む。
反射的に僕も二パといつもの笑顔を見せ、付けていたサングラスとニット帽を外して隣の椅子へ置いた。
いつもの、でわかるやろか?
ちょちょっとメモをしてカウンターへ向かっていく店員さんの後ろ姿をぼーっと眺めながらそんなことを思った。
意地悪しすぎかな。
もしかしたらあの店員さん、僕のこと全く覚えてへんかったりして。
そんでもって、焦ってカウンター内にいる他の店員さんに聞きに行ったかも!
めっちゃ迷惑な客やん。
ど、どないしよ…!
一人で頭の中をフル回転させてテンパりながらいつもの店員さんの後ろ姿を追っていると…
……あれ、そういえば!
店員さんの後ろ姿を見ながら、ふと疑問に思う。
またや。
また、…あの人や。
かなりの常連になってきたつもりやけど、僕の注文聞きにくる人っていっつもあの人や。
綺麗なストレートの髪を後ろで一つで結い、背はスラリと高い。もしかしたら、僕より高いかも。…や、華奢な体格だから背が高う見えるだけかもしれへん!
……実際わからん、僕の方が高かったらええなっていう願望。
ちょっと見栄張ってもーた。笑
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