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「いらっしゃいませっ」
いつも決まって一番奥の席。
コトッとそのテーブルに水の入ったコップを置いて、相手の前におしぼりを置く。
少しコップを持つ手が震える。冷静を保っているが、自分が緊張していることが、手に取るようにわかった。
自分おかしいよ。
この人はただのお客さん。
何意識しちゃってんだろ…
そんな私をよそに、彼はメニューから顔を上げ、ふわりとした笑顔を向けながら言った。
「ホットと苺ショートください」
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