ありがとう

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「……」 小さなお墓の前で 男はジッとしていた。 ヒューッと優しい風がふく。 「愛里…?」 ブァッと今度は強い風がふいた。 「信二さん?」 振り向くとそこには本当に愛里かと思う人物がいた。 信二「…ッ…ビックリした…。本当に愛里かと思いました」 朱音「そんなに似てます?」 朱音は大きな花束を持って立っていた そして信二の横にソッと座る。 手を合わせる 朱音「映画…観ましたよ。チケットありがとうございます」 信二「観てくれたんですか。こちらこそありがとうございます」 少しよそよそしい2人。 「ママー!!」 女の子が朱音に抱きついてきた 信二「あぁ、結婚したんでしたね」 「おじちゃん、こんにちわ」 朱音「コラ里菜(りな)💦おじちゃんじゃなくて信二さんでしょ!」 はーいと元気よく返事をする。 信二「大きくなりましたね」 優しい顔で里菜を撫でる 朱音「パパは?」 里菜「お水持って来るよ!!」 親子の会話を聞きながら少し切なさそうな顔をして静かに立ち上がる。 信二「じゃあ、僕は仕事があるんで行きますね。今日は来てくれてありがとうございます」 それだけ言って歩き出した。 朱音「待ってください!!」 ピタッと歩いていた足をとめる。 朱音「もぅ結婚しないんですか?愛里は…妹はあなたの幸せを願ってますよ」 信二「…妹さん以上の素敵な女性が現れたらしますよ」 また歩き始めた
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